おかげさまで2020年10月1日で創立50周年を迎える事が出来ました。
想いおこせばこの50年音楽業界の変化とオーディオの技術革新と趣味趣向の変化等々。
ひとくちに音響機器といっても20世紀から21世紀の技術の進歩は著しく、時代の移り変わりに翻弄されながら歩んだ50年でした。
その間コンシマーオーディオからプロフェッショナルオーディオ・設備音響・カラオケ業界まで、全ての音響業界に携われた事でたくさんのノウハウを蓄積し、アナログとデジタルの時代の移り変わりにも柔軟に対応出来た事が今につながっています。
以下に歴史を振り返ってみたいと思います。
1962年(昭和37年)に東京で起業したオーディオテクニカの分工場として
創業者 松下秀雄 のふるさと『武生』の地に1970年(昭和45年)工場を構えました。
※武生工場第一期工事
時代背景として高度成長期と共に活況だった音楽産業とオーディオブームの波に乗り、アナログレコードカートリッジとレコードプレーヤーのトーンアームを設計生産する工場として規模を拡大していきました。
※1977年(昭和52年)第2期工事終了後の航空写真
1980年頃
国内外向けアナログレコードカートリッジの生産で、OEMモデルを含み世界市場の過半数といわれる程の数を作る会社となりました。
※月産100万個というカートリッジを生産していた頃の武生工場生産部門
1973年(昭和48年)福井県今立郡池田町にカートリッジとトーンアームを生産する『池田工場』を新設。
1983年(昭和58年)福井県丹生郡清水町に、トーンアームとマイクロホン・ヘッドホンを生産する『清水工場』を新設
プラスチックモールド成型、ダイキャスト成型に切削、塗装ラインを完備していました。
1982年CDの登場により、アナログレコードカートリッジは衰退。
その後、1980年代後半から ”コイルと磁石と振動系”の技術を工学系ピックアップのアクチェーターに応用し”オプトエレクトロニクス” レーザー工学系技術をプラスしてCD・MO・MD・DVD・BDといったデジタルオーディオ用ピックアップの設計・生産を開始。
海外での生産体制ルートを整え、工学系ピックアップの量産を開始。
1990年代には電波や赤外線を使ったワイヤレス技術をマイクロホン・ヘッドホンに応用。海外のショー産業や国内カラオケ市場に参入。
また世界初。独自の赤外線コードレスカンファレンスシステムを開発生産。
日本国内外でニッチなカテゴリーで成功を遂げ、各方面で大きくシェアを伸ばしてきました。
またヘッドホンはきたるべきワイヤレス化の波をとらえ、いち早くブルートゥース・ワイヤレスヘッドホンの設計・生産に着手。
現在の主力生産品となっています
(※アナログレコードカートリッジは2009年に月2万個まで生産が落ち込みましたが、世界的なアナログレコードブーム再生で月産15万個にまで増えつつあり現在も右肩上がりの生産数を誇っています)
起業当時の製品を作り続けてきた結果が今に繋がり、デジタルとアナログ両方の技術を持ち合わせている事が現時点最大の強みです。
2010年には 福井県内3工場体制を越前市(旧武生市)1か所に統合し、新社屋を増築。
技術部・生産部・管理部・サービスの4部門 約200人体制で活動しています。
(※新社屋オフィスビルの建築設計は竹中工務店)
『ワイヤレス通信技術と充電池、センサーとAIがこれからの世の中を変えていく』といわれていますが、人間と接する部分は全てアナログです。
オーディオテクニカが長年培ってきたアナログ技術とデジタル&ワイヤレスの先端技術の融合で、これからもこの福井の地にしっかり両足をつけて皆様に感動して頂ける製品づくりを目指していきます。
今後とも、どうぞ宜しくお願いいたします。
2020年10月1日
株式会社 オーディオテクニカフクイ 常務取締役 谷下 巧
社員一同